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アロン社のこだわり

当サイトの取材協力や記事監修を通して、アロン社の山田社長や写真のみなさまとお話していると、プロ意識とはこういうことを言うのだと実感させられました。

中でも感銘を受けたのは「アロン社クオリティーに満たないものは提供したくない」というこだわり、そして仕様によって「アロン社クオリティー」が満たせないときは、そのことや理由、考えうる限りの解決案や代替案をすべて相手に開示するという誠実さです。

なぜそこまでするのか。アロン社の今までの歩みと、クオリティへの意識を、アロン社の山田太進社長にお伺いしました。

目次
アロン社山田社長

アロン社山田社長インタビュー

量産型か研究開発型か。会社の大きな分岐点

――アロン社の、「質」「クオリティ」への追求は、1958年の創業からでしょうか?

創業当時は、ネームプレートの製作所だったのですが、しだいに精密製品の製造に移行してきました。

当時の社長だった父から私にバトンが渡されるときに、「量産型のビジネスを発展させて、会社を大きくしていくのか」あるいは「研究開発型の、量は追わずに質で勝負のような会社にしていくのか」のどちらを選択するか迫られたんです。

迫られたと言っても、父に聞かれたわけでもなく、どっちつかずみたいな感じだったので、スタンスを決めないとバトンは受け取れないと私が思っていただけなのですが。

結果、量産型のビジネスは、市場ニーズやコストなど、自分たちで決められない要素が多いので、「研究開発型でいかない限り、日本の岩手県で物を作る意味を見出せない」と結論付け、我々にしかできない物を作ってやっていくという方向性を定めたところから始まります。

――会社としては、かなり大きな決断ですね。

そうですね。その決断に至って、まず最初に挑んだのが「業界最大、業界最小」というわかりやすいところ。

「大きいけどいいもの」「小さいけどいいもの」を追求するようになると、それに併せて装置や治具を内製して、一貫体制の構築が必要だよねというように、新しいことや変えなければいけないことがどんどん出てくる。そんなことを繰り返していくうちに何が起こり始めたかというと、値決めの権限が少しずついただけるようになったんです。

――値決め?

要は他にできないから、前例となる値段がない世界になってくる。もちろん私たちが仮に「10万円」と言ったからといって、そのまま通るわけではなく、「高い。1万円で」と言われるようなこともあります。

ただ、そこは踏ん張る。逃げない。妥協しない。

一方で、妥協しない代わりに、補って余りあるものを提供し続けられるように、我々自身が、どんどん先に進まなければならない。

相見積もりで比較されるイバラの道と、常に全力疾走していなければいけないイバラの道。どちらもイバラ。辛くてキツイ。どうせイバラならと、後者を選んで進んできたわけです。

感動を呼ぶ製品が営業マンがわり

――いやあ、そこでそれを選択しきれるかどうか。覚悟が必要そうです。

もちろん、全力疾走で前進し続けるという覚悟は必要です。

そんなスタンスで走り続けて、何が起こり始めたかというと、納品したものが雄弁な営業マンになってくれるようになってきたのです。

――売り込まなくても売れると?

アロン社山田社長

そうです。想定以上のものが届けば、お客様は感動してくれて、次も期待していただけます。よほどのことがない限り、浮気されない関係性が出来るようになってきました。

いかにお客様の想定を超えるものを作り、感動していただけるか。

その過程では、もちろん正しいディスカッションがあって、お客様と価値観を共有しながら練り上げていくことが必要です。

お客様の要望や解決したい課題に対して、我々は誠実さと実行力とスピード感で全力でお応えする。

そうやって練り上げていったものが、最高のアロン社クオリティーで、お客様の手元に届くことで、初めて感動が生まれます。

――「満足」ではなく、「感動」ですか。

はい。満足ではなく、感動していただきたいんです。

社員に愛と誠実さを持って接する

――その「感動」を継続するには、当然社長だけではなく、社員一人一人の努力やスキルが必要になります。

そこですよね。私も若いころは、「自分は正しいことをやっているのだから、皆はついてきてくれればいい」「自分がビジネスを成功に導く。だから、それを皆で分かち合おう」という考え方をしている時期がありました。

でも、はたと気づいたんです。まず社長である自分が愛を持って、誠実に生きないと、肝心の製品に愛や誠実さがこもるわけがないと。

そこから自分の人生のテーマを「愛を持って誠実に生きること」に決めて、社員に対しても愛と誠実さを持って接するように心がけました。

それを続けていくうちに、製品に愛や誠実さが少しずつ反映されて、製品に「品格」や「魅力」が出てくるようになってきたんです。「噓でしょ?」って思うかもしれませんが、本当に。

10年くらいはかかりましたが、技術の研鑽と、愛と誠実さを持って接することを同時に続けていたら、感動を呼ぶ製品ができるようになってきたんです。

――具体的には、どんな行動をとったのでしょうか?

一番は社員のニーズを知ったつもりにならず、本当の意味で把握しようと、異動を希望することができる「自己申告書」や「年に一度の社員アンケート」など、たくさんの施策を開始しました。

社員アンケートは、会社の良いと思うところと、会社への要望事項を何個ずつでも提出してもらうもので、みんな、本当にたくさん好き放題書いてくるのですが(笑)、役員会で全部の意見を一つ一つ検討して、本人にきちんとフィードバックするところまで行っています。

――100名を超える社員さんの意見を全部ですか!?

のべ20時間以上かけて、実行するものしないものを分けて、優先順位を決めて実行計画まで立てるので、本当に大変なんです(笑)。

でも、どんな意見でも本人たちは真剣に書いてきているので、採用されなくてもされない理由を知りたいはずですし、フィードバックがないと「もう書かない」となる可能性もありますよね。

愛のこもったメッセージを貰ったなら、それを返す。愛し愛されるって、そういうことなんだと思います。

以前は、私が一方的に「社員はこういうことを望んでいるんだろうな」と考えたものを実行していた。みんな「ありがとうございます」とは言ってくれるんだけど「本当のところはそこまで嬉しくなかった」とか(苦笑)、逆に何の気なしに実行したことが「実は評判が良かった」とか、たくさんのギャップが生まれていたんです。

相手の意見を聞き、私の考えを言う。私の考えを実行して、相手の感想を聞く。その繰り返しでギャップが埋まっていって、愛が伝わるだけではなく、「愛の交換」ができるようになってきました。

――聞いたことないです、そこまでする会社。それが回り回って製品に愛がこもるというのが、すごい話だなと。

「愛と誠実」とか言われても気持ち悪いと思うんですけど、少しずつ製品に愛がこもっていくのが実感できてるんです。

製品に愛がこもれば、最初にお話したように、それが会社の顔となり営業マンとなり、お客様との関係も強固になっていく。今は、やっとその愛が1周したかなと感じています。

おそらく今後何年かで2周目の愛の形ができてくるのかなと思っていて、それを今楽しみに、日々を頑張っています。

――そのときに、どんな製品が生まれるのか、アロン社がどう進化するのか、私も楽しみにしています。ありがとうございました。

【匠の加工】取材チームより

『今ある言葉では飾れない「究極の会社」をめざしています。』とは、アロン社公式サイトに記載されている、山田社長のメッセージです。

言うは易く行うは難し。

本当に愛と誠実さを持って実行することを、トップが一番遂行しているからこそ、ただの「言葉」ではなく、製品からその精神が伝わっていく。

それが、このインタビューからも感じられました。

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